ウィークを通して鈴鹿のPITに運んだ荷物を全て片づけ、いま新東名の足柄SAでドライバーを交代してもらってから、これを書いています。
今年の8耐も無事に始まり、無事に終わりました。
今回は後方で戦略を練る係だったので、メカやピット作業を演じていた時ほど直接力を発揮した感じはありませんでした。
でも、チーム内の調整や、トラブルの先でレースをどうやって運んでいくかを考えに考えチームは無事完走でき、間違いなく去年よりもチームに貢献できたと思います。だから、リザルトに関しては本当に悔しいと思っています。
全体的なところでは転倒・STOPが多い大会だったのではないでしょうか。
序盤からSC介入と思われましたが、ボード掲示から数秒で取り下げがあったような記憶があります。
連覇したHRC、TOP10での大クラッシュから初の表彰台YART、Team加賀山から逃げ切ったヨシムラ。CN CHALLENGEも見事8位!
FCCやKawasaki Plazaはトラブルが多く大変だったと思います。
雨はなく、TOPは最多周回の220周となりました。
8耐がどんなレースかをチーム視点でちょっとだけ書きます。
ウィークが始まると、絶え間なく通過する40台のエギゾーストに耳が聴こえにくくなり、水を飲めばすぐに汗になって出ていってしまう身体になります。
熱によって電子機器はおかしくなり、全ての物品が汗に塗れてぬるぬるとして不快になっていき、持ってきたマシン・パーツは転倒やトラブルで使えるものが徐々に無くなって、ライダーのブーツも底がなくなっていく。
減ったものは決勝までに直したり、サーキットに来ている各社サービスでOHしてもらったり、そんなことをやりながら、「これで本当に8時間を生き残れるのだろうか?」と不安な夜を過ごして、今やれることは全部やった、という状態で決勝日を迎えます。
あとは全部、走ってみて、結果になるだけ。
そう、やれることは全部やって、それから決勝が始まります。
スタートをしてしまったらあとは進むようにしか進まないのが耐久レースです。
こうなると全ての担当者が自走できるようになってないとレースが回りません。
燃料の準備でもタイヤの準備でも、自分の担当する場所のことはしっかりやって、他の担当場所はその担当者に任せるしかない。じゃないと自分の担当すら手が回らなくなるし、思わぬところでレギュレーション違反を食う可能性が高まります。
準備・習熟のために3回のテストがあり、もっと前段階では車両やサインボードなどを作ったり、耐久パーツのテストをしたり、戦略を考えたり...そうやってバックキャストで考えていけば、結局は去年の8耐が終わった瞬間から、この8耐が始まっていました。
ヒト、モノ、マシン、全てが持久戦の世界。
大量のマージンを抱えて鈴鹿に乗り込み、1週間で食い潰していく闘い。
体に残った熱は1週間かけてゆっくりと冷やして、また日常へと戻していきます。
あぁ、夏が終わってしまった。