膝が治らない。
膝を壊して2週間経つというのに、膝が治らない。
これが歳か。
2025年、つまり28歳になる年が始まった。
24年の年末
新しいことを始めたい。
新しいことを常に追い続け、そして、新たな場所に行きたい。
そう思い自転車に飛び乗ったのが2024年の12月24日。
埼玉から、自転車に乗って道路元標まで走る。風が冷たい。
FUJI Feather CX+、クロモリフレームの自転車。
買っちゃった。
社会人になってから3代目の自転車。
今回の自転車はやや重たい。
朝の5時半から走り続けて、小田原に出て、箱根を最初から最後まで押して登って、下って、御殿場まで140kmを走った。
そうしたら膝が壊れたんだ、たぶん。
それから次の日、途中でテレワークしながら富士由比バイパスの脇道を走り、肉を食って寝た。
その次の日には、小夜の子泣き岩を越えたところで限界だった。右脚が動かない。
4日目、掛川でドーミーインを取って、日中から空を見ながら湯に浸かった(このドーミーインの風呂が最高だった)。
膝の痛みは取れなかった。
ジャグラーで負けた
この日、掛川には朝の10時ころにたどり着いた。
ドーミーインのチェックイン時間には早かったので、ジャグラーを打ったら、-10,000円を手に入れた。
なーにがGoGo!だよと思いながら駅に近い適当な喫茶店に席を移して店主と話をしていると、面白いことに大正から続けている店ということだ。
喫茶 ウオコー。
ダッチコーヒーとチーズケーキを注文する。
ホコリと油で飾られた店内で、コーヒーはなんとも言えない味がした。しかしこの店の良いところはそんなところじゃない。
この店主、海外旅行が好きで、海外に行ってはコーヒー豆を買い付けているらしい。
お店の面白さは、店主の面白さだ。
▲ 凸面鏡を使ってiPhoneのRetina ディスプレイを覗く店主。ピンチして拡大するのではなく、凸面鏡というのが大正を感じる。Z世代もこれくらいのバイタリティを身につけるべきだ。
タイに行くならチェンマイがいいよー。
アノー、アレ、ナンチュッタッケナー、アノホテルガエエネン。
アノー、アノー......。
居心地が良すぎて、パソコンを開くでも無く、小説を読むでもなく、話をしながら地図を開いてチェンマイのホテルを探し、気づけば1時間半が経っていた。
充分だろう、ここをこの旅の終着駅にしよう。
自分で勝手に始めた旅だから、途中でやめるのも当人の勝手というものだ。
どんな結果になっても、自分の行動に責任を持ち、受け入れるしか無い。
▲ 推しホテルはブアラウォン ホテルらしい。
物価が安いのも魅力で、特に日本で年始の休みが終わったあとに円が高くなるので、そのタイミングがいいとか。
帰ろう、小浜に
はっきり言ってしまうと、自分の身体の能力を見誤っていた。
年末に向かう前、日頃からのフィットボクシングに加えて、何度か山に足を運んで心肺と足腰を鍛え、身体を仕上げてきた。
それもあって、手元が疎かになって、"齢"という足かせを勘定することを傲ってしまった。
だから膝が壊れたんだ。
自分の脚でどこまで行けるかを試したかった。
原動機じゃなくて、自分の脚で.....。
それなのに、心拍数が上がらない。
情けないほどに膝が痛くて、左脚でしかペダルを踏めなくなっていた。
▲ Apple watchのログ。一部記録が止まっていた。あほみたいなカロリー消費量である。
1日目は約160kmを走って、平均心拍数は134拍/分だったが、2日目にはもう脚がやられて心拍数が118拍/分までしか上がらなかった。つまり、心臓は余裕しゃくしゃくの118拍/分で鼓動を刻み、足がそれ以上の運動強度を生じない。
だめだ、帰ろう。俺の生まれ育った街へ。
俺はもうピチピチの10代じゃない。
▲ 人の少ないローカル線で良かった
新幹線で米原まで行って、地の果て・近江塩津でペラッペラの紙をもらってIC退場してから北陸本線へ。敦賀に着いたときには、灰色の空の向こうで白い雪が降り始めていた。
2024年が終わる
実家に帰ってきても膝が痛くて、何をする気力も起きない。
当初のプランでは自転車を使って5日くらいで帰ってきて、それからレース用の50ccのリトルを公道仕様に戻して北海道に行ってウハウハするつもりだった。でも新日本海フェリーの出航スケジュールが微妙で、整備の時間を合わせるとどう考えても苫小牧入になってしまって、帰りの日程が合わない。せめて100cc超えならそれでもなんとかなったと思うが、寝そべりながら実家の柴犬を転がしてもうまい解決策は出てこなかった。
▲ 2025年ですね。
だから早々に整備するのをやめ、変えてしまったスパイクタイヤからもとのタイヤに戻して、それから壊れた膝を柴犬といっしょに舐めて、寝ていたら2025年になっていた。
あぁ、ソレルのつまさきの寒さ対策。
あぁ、首の隙間から入ってくる風の対策。
色々試してみたくてやったのに、空はずっとシケたまんまだ。
こんな年末は、なにかしてもいいことは起こらない。
きっと凶兆をうまく回避したんだろう。そう思いたい。
Note
走った距離(TOTAL): 270km
自宅〜御殿場: 160km
御殿場〜富士: 90km
島田〜掛川: 20km
ざっくり 6万円
(うち鉄道 3万円)
もちもの
品目 | 数量 |
---|---|
おぱんてぃ | 2 |
くつした | 2 |
ジオライン上下 | 1 |
雨かっぱ | 1 |
靴防水カバー | 1 |
エアポンプ | 1 |
パンク修理キット | 1 |
輪行ぶくろ | 1 |
チューブ | 1 |
服装
- 身体にタイチのウェストポーチ。そこに普段の洗面セット、薬類、充電類、カメラ、iPad、ケータリング。ダウンはなし。
- 靴は普通の運動靴。ソックスは長めの登山用。
- ジオライン+フリース。登山装備と同じ(下はフリースなし)
- ヘリハンのシャカシャカ(ウインドブレーカー)を予備。
- 手袋はBDの雪山用アウターを予備にして日中はアストロで売っている作業用の手袋。
結果メモ
- 昔、夏場に服を着回してたら3日目くらいでかなり臭くなったが、今回はまだ柔軟剤の匂いがした。最近は運動を続けいたため、汗に脂質が含まれていなかったからだろうか。また、冬は気温が低くて菌が活性化しにくい、乾燥していて乾きやすいのも◯か。
- 箱根の頂上で-1度だったが、一瞬だったのもあって耐えられた。足元よりも手が寒かった。
- チャリ漕ぐためにはチャリ漕ぐ筋肉を
- 体力は充分
- 箱根はヒトが越えるものじゃない
- 平地で100km/日がいいくらい
- チャリのポジションセットが重要
- 新幹線の大型荷物ゾーンは全員が予約していてキャパがカツカツだった。縦型の輪行袋にしたほうが良い。