目の前を走る電車と新幹線を、見るともなしに眺める。
昨日25日から東京をブラブラして、電車に乗って、夜中に東京駅で降りて皇居の堀まで行って、途中神田でラーメンを食べて秋葉原まで歩いてネカフェで寝た。
皇居付近には初めて行った。
目の前にあるパレスホテルには大量の警備(機動隊やらふつうの警察やら、あと黒い服の人)が居て、あぁもしかしてここにトランプでも泊まってるのか?といった感じだった。
東京へ来たら行くところはいつも決まっている。
秋葉原。オタクの聖地___。
結局、行くところが無いから、同じところをぐるぐるする。
それは観光地は人が多いからだし、そもそも東京の観光地をまるで知らないし、まず地理関係がわからない。
最近池袋と東京と秋葉原の位置関係は掴んだ。
しかし、こうして朝マックを食べて目の前の街路樹を眺めていると、全部真っ当な理由じゃない気がしてくる。
本当は、自分にとって目的地なんて手段にすぎない。
バイクに乗っている時はいつもそうだった。
バイクと触れ合うことが目的で、向かう先はいつだってその手段だった。
そんなバイクには、今はもう乗っていない。
手放したとは言えず、一時的にではあるが、かつて自分の大半を占めていたモノがなくなってなお、人は生きていける。
そんなことを知った、5月の終わりのとても暑い日だった。