青パーカーの書き散らし

宗谷岬でまた会おう。旅の記憶と知識の記録。

カブC50E系の純正流用FI化#8 知見

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前回までで不安なく走れるような状態となり、不運にもエンジンの焼付きなども在りましたが無事に北海道2600kmのツーリングからも帰ってくることができました

ここまでで得られた知見について記載します。
(この次の記事でさいごです)

燃費

燃費については、思ったよりも伸びませんでした。
平均値では40km/Lちょっとのため、ミクニフラット24とあまり変わりません。

上述しましたが、当初の目論見であった「燃費を改善して長距離を走れるようになる」は失敗に終わりました。

カブ純正流用FI 燃費 97cc

最低値: 浜頓別-紋別 37.22km/L
最高値: 北茨城-埼玉 48.25km/L

なるべくイコールコンディションになるように夏の北海道ツーリングの記録のみを抜き出しています。

最低値を叩き出した浜頓別-紋別間は雨+強風でしたが、それを差し引いても緯度が高くなるにつれて燃費が悪化していることが分かります。

緯度変化による気温変化、もしくは気圧変化により吸入酸素量が増えて補正が働いているのでしょうか。
吸入酸素量を計測できるセンサは付いておらず、吸入空気温度のセンサと油温センサ(ただし外出し)がついていることから、気温変化の線が高いと考えております。

LAFセンサーについて

純正の空燃比計(ナロー)についてわかったこと

  • 温めれば温めるほど薄めの数値が出る
  • 温めないと動き出さない
  • まず温める

排気温度が温かいほど安定するのか、冷間時はかなり低めの値(Lo表示)になります。
例えばアイドリング時はほぼLo表示となり、回して乗ったときは14とか...。 長時間巡航していると安定してくるのか、アイドリングでも12くらいを表示することもあります。

でも、例えば排気温度が低いときに14に合わせても、巡航すると15にずれたりします。
もっとオーバーヒート気味になってくると数字はどんどん高くなるため、セッティングをするときにはどれくらいの温度のときの値を参考にするか基準を持っておく必要があります
(温度はモニターしない場合でも、おおよその体感で基準はほしいところ)

他に、排気に対してO2センサーの距離がある場合は、距離分の冷却を考慮しなければなりません。
カブはシリンダーヘッドのエギゾースト部分にO2センサーがマウントできるようになっていますが、今回のようにエキマニにO2センサーを取り付けた場合は、イコールコンディションでも低い値が出てくると考えられます。

セッティングについて

フィーリングの変化がわかりにくい

キャブレター車はジェットを交換するとわかりやすくフィーリングが変化するのですが、インジェクションはかなり分かりづらいと思いました。

これは余談ですが、インジェクションのガソリンの吐出量は、インジェクターの単位時間あたりの吐出量に快弁時間をかけ合わせた値になるはずなのですが、快弁時間を1ms変化させるとどれくらいの変化があるのかがわかりません。
同じく、キャブレターの番手を1番変更したら吐出量がどれだけ変わるかもわかりません。しかもキャブレターは圧力によっても吐出量が変化するので測りようがないです。
なので、キャブレターの「こういうときはこのジェットを1つ変化させる」みたいなセオリーをインジェクションに置き換えて考えることが出来ず、今まで溜めてきたキャブの知識があまり通用しませんでした。

何かが切り替わるような違和感

低回転(5000回転以下?)で何かが切り替わるような違和感を感じます。
どうも5000回転以上ではアクセル開度に対してリニアに動くのですが、5000回転以下ではアクセル開度に対しての反応がより一層悪いです。
本当かどうかはわかりませんが、適正な燃料を計算する方法には、アクセル開度と回転数の方式と、吸入空気圧から計算する方式があったりするので、燃費追求のために計算方法を切り替える方法を採用しているのかも知れません。

加速領域のセッティングの難しさ

加速領域のセッティングって難しいんですよね。
短時間で回転が上昇するので、LAFディスプレイの応答性能が足りなくて正確な値がわかりません。
FIはフィーリングによる判断がしづらく、正確にセッティングするならばロガーを付けて確認する他無いようです。

サブコンということはこういうこと

この仕組は純正ECUを使用しており、サブコンによる補正を効かせている状態のため、純正ECUがサブコンの補正を打ち消すようなフィードバック制御を発生させている可能性があります。
なので、単純に薄いならこうする、濃いならこうする、で問題が解消されないことが多々ありました。

また、純正ECUを使うのだから、補正によってベースマップが変化します。
骨を折って(サブコンの補正量を)セッティングをしたのに、今度は純正ECUの持つベースマップが勝手に変わる、という問題が発生します。

嗚呼残念也、純正電子計算機...。

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