本記事は、鉄フレームのスーパーカブ、更にその中でも12Vキャブ車のエンジンに対する純正流用インジェクション化...の方法やトラブルシューティングについてを書いたものです。
インジェクション車(JA07やJBH-AA01、JA10など)をキャブ化する話ではありません。その逆です。
車輪の再開発も良いところですが、旧エンジンでやる意義についてはこんな感じ。
- 基本設計が大陸開発になった2次側自動遠心には無いガツンとしたフィーリングを楽しむ
- 余りあるアフターパーツを活用できる
- 軽量な車体と旧時代の完成された意匠を思う存分楽しむ
- ユニークかつ高性能を誇る中華エンジンもFI化できる
さあ計画を練ってきます。
まえがき
以前リトルカブで北海道へ行くに当たり直近の燃費記録から試算した航続距離が150km〜160kmと分かり、これじゃ何度ガス欠するか分からんと思って汎用機械のタンクを使って増槽をつくりました。
▲こいつ
しかしこれは根本的な解決にはなりません。
キャブがレース用ミクニフラット24で、アクセル開けだしのツキに合わせると全閉が狂うようで1分以上アイドリングすることができず、基本オンかオフしかなくて、オンにすれば無限の彼方まで回ってパワーが出てくる狂ったキャブです。そのせいか燃費が悪くて、結果航続距離が落ちるって感じ。
でもそのおかげで強力なパワーを得ているのも事実のようで、同口径のPE24等も試しましたがパワーダウンしてしまって今は結局このキャブに落ち着いています。
また、過去の経験で次の2つの問題も露呈しています。
- 雪の上でキャブを触るのは、時間面、体力面、手の乾燥の面で不利に働く。特にカブはレッグシールドの上に荷物・増槽を積むため、それらすべてをパージしなければキャブにアクセスできない。
- どんなにベストなセットを見つけても、氷点下の気温変化と降雪・積雪状況により開け始めのフィーリングの極端な変化が生じる。また、全開領域についても知らずのうちにパワーダウンを引き起こす可能性がある(実績もある)。
▲過去、京都の山奥で急にエンジンが吹けなくなって止まった実績ありです
よってこの状況を打破すべく、キャブレターによる問題解決は諦めてFI(Fuel Injection)のシステムを導入することにしました。
なお、真似する人は大歓迎で、コメントしていただければアドバイスできるかもしれませんが、一切の責任は負えません。
素体の選定
今回はCL50を素体とします。
かんたんに紹介すると、CL50はかつてホンダが販売していたスクランブラーチックな原動機付自転車で、搭載されるエンジンはCD50Eです。これはいわゆるC50E系のカブのエンジンと数多の互換性があり、大きな違いはハンドクラッチであることのみでその他はほぼ同じと考えて良いでしょう。
トランスミッションは好きなものを選んで大丈夫です。
電装は12Vのものを用意しましょう。
▲このタイプのエンジンならおk
要するにこのノウハウはC50E系スーパーカブにも流用できます(重要なことなので太字にしました)。
但し書きをしておくと、完全に合致するのは12VのGクランクと同様のクランクエンドを持つもののみで、SクランクやらLクランクやらは自力で活路を見出してもらうしかない。
80年前半の型式の車両についてはショートコンロッドからロングコンロッドへ移行する過渡期のため、ロングコンロッドなのにクランクエンド形状がなんかおかしいやつとかがあるので頑張って調査してください。
気になるところ洗い出し
素体の選定が終わったところで、この構想を実行に移すにあたって気になるところを先に洗い出しておきます。この他にも色々あると思うので、思いついたときに適宜ツブシにかかるかんじで。
- FI用のマニホールドは旧カブエンジンに付くのか?
- 燃料ラインの配管は?キャブと違って圧がかかったラインでは?圧抜きのリターンがあるようなので、それも考慮しなければならない。
- ハーネス。作るか?
- ECU。フルコンでも買うか?
- エンジン。そういえば105は壊れているし、CLは50のまま。
- O2センサーはどこに付ける?
- 同じく油温センサーは??
こんなもん?
おわりに
今回はここらへんで終わりです。
禄に調べずに進めていますが、カブ用のインジェクション化キットなど無かったはず。
一から自作するのはハードルが高くて、そうなるとこの純正流用の自作インジェクション化はそこそこやりやすい部類かもしれないと思います。
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